隠蔽の魔の手

中国の香港で、「逃亡犯条例」の改正に反対するデモがあったことは記憶に新しい。

民主主義を守るために団結する香港人に対して、中国の警備隊が催涙ガスやプラスチック弾で応戦する様子は各国メディアが報じただろう。

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然しながら、中国のメディアはどうだろう。

メディアの裏側に権力の圧力が働いていたのは間違いない。ほとんどのメディアがそれについて沈黙のままであったのだ。現に、中国以外のメディアによる中国国民へのインタビューで初めてデモの存在を知る人もいるくらいだ。

そこには明らかに中国政府は国民に対して何かを隠蔽したいという意図がある。

おそらく、中国国民が民主主義というイデオロギーに影響を受けることを防ぐ為だろう。

 

歴史を遡れば、隠蔽によるイデオロギー操作というものは幾らでも見つかる。

日本でいえば、731部隊の存在は隠蔽されようとした事例の一つである。今ではその事実は埋もれずに周知されるようになったが、完全に隠蔽されてしまう間際にあったことは間違いないだろう。大東亜戦争期に存在した731部隊の残虐な人体実験については詳しくは調べてみてほしい。

 

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今の日本はどうだろう。このLINEニュースのランキングを見れば分かる通り、埋もれてしまうものから目を背けて、ワタシ達は自ら主に芸能情報を選んで見ているのである。

然しながら、

 

今、まさに隠蔽の魔の手はワタシ達にさしかかっている。

 

2014年に施行された特定秘密保護法がまさにワタシ達にとっての隠蔽の魔の手そのものなのである。確かに、軍事的事項と云った機密性の高いものは守られるべきである。しかし、市民が秘密解除請求については明確に規定されていないのである。これが意味するのは、ワタシ達が知らない間に物事が進んでしまう可能性があるということである。

 

隠蔽されたことすら気づかないで生活せざるを得ないワタシ達にとっては、隠蔽に関してはどうしようもできない。しかし、公開されている政治的ニュースについて知っておくことは、ワタシ達の生活を守ることに少なからずとも繋がるのではないだろうか。