西洋とギリシャ神話

ローマ帝国の成立や、帝国主義グローバル化の時代を経て、ギリシャ神話は普遍性を得た。その証拠に、歴史上の多くの文化人がギリシャ神話にインスパイアを受けて作品を作ってきた。

然しながら、一般的な日本人にとっては未だギリシャ神話に関してはあまり知られていない。

 文化というものを読み解くうえでギリシャ神話を知ることは遥か古代から不可欠なことである

 

ところで、皆さんはサイゼリヤに行ったことがあるだろうか?

イタリア料理で有名なファミリーレストランだ。

ワタシはごくまれではあるが、食べに行くことがある。

 

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このパエリアとかいう料理。なかなかおいしい。

皆さんは何を食べるだろうか?

メニューを見て食べる料理を決めれば、必然的に待つこととなる。

暇なので、周りを見渡す人もいるだろう。

すると、壁にかかっている一枚の絵画に目がいく。

 

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ボッティチェリヴィーナスの誕生である。 

 皆さんはこの絵画をどのように見るだろう。

 

 

ボッティチェリはイタリアのフィレンツェ生まれであり、彼が生まれた15世紀当時のイタリアはルネサンス期であった。ルネサンスとは古代文化(ギリシャ・ローマ文化)の復興運動のことである。この絵画もその影響を多分に受けている。実は、冒頭で話したギリシャ神話はここで密接に関係してくる。

 

世界はカオスより始まった。

そしてこのカオスからガイアが生まれた。自分が生み出したウラノスとガイアは結ばれ、その間にはたくさんの子供ができた。然しながら、子供の姿は不気味で、ウラノスは冥界へと彼らを閉じ込めてしまう。その子供の一人であったクロノスはウラノスに対して復讐を誓う。ベッドでいつものようにガイアに寄り添うウラノスの男根をクロノスが鎌で切り取ってしまったのだ。

この絵画中央にいる裸体の女性、ヴィーナス(ギリシャ神話ではアフロディーテとはギリシャ神話の神々の一人であり、このとき地中海に落ちたウラノスの男根より生まれたのだ。

 

このような神話の冒頭からインスパイアを受けてこの作品は描かれた。

この作品以外にも、やはりギリシャ神話をモチーフとした物はたくさんある。

現代でいえば、風の谷のナウシカがそれである。

 

なんとなく物事を眺めるのでなく、別の文化の影響という観点から眺めてみる。

すると、ワタシ達は自然と知的好奇心というものが抑えきれなくなり、別の文化を通して新たな知識を獲得するのである。皆さんもぜひ、物事に潜在するバックグラウンドを追い求めてほしい。